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何かを我慢しながら生きている

  • 執筆者の写真: Hiroko
    Hiroko
  • 2022年2月24日
  • 読了時間: 3分

執筆者:Hiroko


何かを我慢しながら生きている。

大人とはそういうもので、言い訳は社会人として失格だ。

だけど自分の中の違和感は隠しきれないほど大きくなって破裂寸前だった。

そんな精神状態のときに読んでほしいのが『常識のない喫茶店』という小説だ。




働いている人が嫌な気持ちになる人は、お客様ではない


僕のマリの『常識のない喫茶店』は、世間の常識とは違うルールで成り立っている小さな喫茶店で働く女性が主人公だ。

マスターがスタッフに求めることは「やさしさ」と「思いやり」のみ。

だが「やさしさ」と「思いやり」が、世間の常識とされているものとは少々異なる。


働いている人が嫌な気持ちになる人は、お客様ではない

イヤなお客には挨拶もしなくて良い

無礼なお客はどんどん出禁にしてOK


なのでこの喫茶店のウェイトレスはお客とのケンカや無視は日常茶飯事だ。

日々降りかかるセクハラやモラハラにじっと耐えることはしない。迷惑なものは迷惑だと言い、理不尽なクレームには容赦なく戦う。



本当は、こんな働き方をしたい。


ウェイトレス達とお客とのやりとりがまた爽快!

自分もこんな働き方をしたい。本書を読み終えた99,9%がそう思うだろう。


なぜできないのだろう?


社会に出るといつのまにか、”多少の理不尽は当たり前”が常識になる。

自分の本心とは違うことをやらなければいけなくても、その環境を選んだのは自分だ。

自分で結果を出して環境を変えろと言われる。

だが自分の努力だけではどうにもならない側面も、往々にしてあるのが社会というものではないか。


自分の本心を真剣に考える時間も気力もないほどヘトヘトになってはいないだろうか。


「ある日、行きつけの居酒屋で焼酎のお湯割にぽつんと涙が落ちたとき、限界を悟った。耐えられず心療内科の扉を叩くと、自分には無縁だと思っていた病名を告げられた。」*1


心療内科の扉を叩いていないだけで、ぎりぎり綱渡りの精神状態。

なんとかその日その日をやり過ごしている人は、私たちが想像しているよりずっと多いだろう。



無駄なことに体力を割きたくない


読み終えると「いまこの瞬間から、無駄なことに体力を使うのはやめよう」という決心が激しく私を揺さぶってきた。


私は今年で38歳になる。30代後半になると明らかに体力がなくなってくる現実を認めざる得ない。

動ける時間が減ってくる。

ということは、本当に心から求めていることにしか体力も時間も割きたくないのだ。


仕事の小さな失敗を土日も引きずり、あの人に嫌味を言われた、この人の態度が気に入らないと、元気に動ける時間を棒にふるのはもうやめにしよう。


あぁ、なんてもったいない時間の使い方をしてきたのだと自分の迂闊さを呪ってやりたくなったが、いまこうして過去を呪う時間こそやめるべきだとハッとする。


他人に振り回されている感覚で生きている。

そんな状況はもう耐えられない。

というあなたにこの本を手にとってみてほしい。





引用元:

*1 柏書房『常識のない喫茶店』僕のマリ


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